名古屋シィメイルコラム ニューハーフとして生きたいあなたに
ニューハーフヘルス「名古屋シィメイル」のママ、名古屋薫さんによるコラム。
ニューハーフ業界でご意見番的存在の薫ママからの暖かくときに厳しいメッセージ、頑張るあなたのハートに響くハズ…
掲載日:2011/09/15
若葉の頃〜若さという強力な武器
ご無沙汰しております。もうね、今年の夏の暑さには全くやられております。その暑さも原因のひとつなのですが、それに加えまして、年齢を重ねるにつれてやはり体力が落ちているのを実感するのでございます。若い頃に比べると、徹夜が出来なくなりましたねぇ。お店が終わった後は、まるで電池が切れたかのように眠たくなって寝てしまっております。まぁ、年を取って体力が弱くなるというのは誰にでも当てはまる周知の事実なのでございますが、それでも、若い頃っていうのは「この若さが永遠に続く」なんて思っているものでございます。ということで、今回は「若さ」がテーマ。と言っても、若い人にも若くない人にも読んでいただいて、何かしらのヒントを得て頂ければと思うのでございます。
まずですね、「若さの特権」というやつを知っていただきたいのでございます。人気商売では、“とにかく若ければ良い”というお客様がそこそこに多い。それくらい、「若さ」というのは強力な武器。若い人は、ただそれだけで輝いているのでございます。同じことをしていても、なぜか若い人の方が目立ってしまう、そんなことは当たり前なのでございます。そしてさらに、お客様は、若い人には完璧を求めない。求めないというか、「若いから仕方ないよね」と思ってくれる。それも、若さの若さゆえんでございます。つまりですね、若さには、「強力な引力」と「失敗できる」というふたつの特権が有るのでございます。
さぁ、ここで注目! お客様を引っ張る強力な引力を持ちつつ、かつ、失敗しても許されるという状態。こ、これは! ゲームでいうところの「無敵状態」ではないか! そう、若さというのは無敵なのでございます。ニューハーフのお仕事に限らず、若さというのは、いつでも、どこでも、無敵なのでございます。世の中を動かし変えていく原動力、それが若さなのでございます。この若さが持つ無敵パワーゆえに、「好き」と「嫌」がはっきり出てしまう。好き嫌いを本能的に表してしまうのも、若さなのでございます。
では、好き嫌いがはっきりしているのはプラスなのか、それともマイナスなのか。若い人の中には、自分の好き嫌いを表に出してしまって、損をしたり嫌な思いをした人もあることでしょう。そんなマイナスイメージを持っている人には想像しがたいでしょうが、年を取ると「常識に縛られる」ということがございます。好き嫌いを表に出さず、常識的な行動をしてしまうわけで、これは“大人”としてはごく当たり前のことなのですが、この常識に縛られることで「考える」ことや「変える」ということに無気力になることも多いのでございます。「好き嫌いの本能」と「大人の常識」は、対極の関係に有ると言えましょう。
若い人の心を悩ませることが多い「好き嫌いの本能」ですが、この本能こそが若さの象徴であり、思考力の源であり、自己改革の原動力なのでございます。好き嫌いの本能は、決して悪いことではなく、むしろ若い人には持っていて頂きたい感覚だと思っております。要は、プラスとマイナスを十分にわきまえ、効果的に使って行ければいいのでございます。そこでこんなアドバイスを。
・自分の好き嫌いの本能を殺すな、それは想像力・思考力の源。
・好き嫌いの軋轢(あつれき)を埋めてくれるのは礼儀。挨拶だけはきちんとやっておけ
ということですね。好きな人、嫌いな人、やりたいこと、やりたくないこと、いろいろあるでしょうが、もしゴタゴタが起きた時に自分を救ってくれるのは、常日頃の礼儀正しい挨拶でございます。たとえ口をききたくないと思っている相手でも、挨拶だけはきちんと行っておくべきでございます。まぁ、「挨拶をする」というのは、対極にある「大人の常識」的な行動ですので、若い人には難しいかもですよね。好き嫌いが高じてゴタゴタになり、それが元で居場所がなくなってお店を転々と移動する、それも若さでございます。若い頃にいろいろ動くのもいいでしょう。ただ、自分の好き嫌いの本能にうんざりし始めたら、上記のアドバイスを思い出して頂きたいのでございます。好き嫌いの本能は、決して悪いことではございません。使い方・つきあい方次第なのでございます。
余談ですが、先日のニュースで、マドンナがアジサイの花をプレゼントされて、ついうっかり「アジサイって嫌いなのよね」って呟いたのをマイクに拾われてしまうという事件がございました。それが原因で批判が起こり始めますと、マドンナはある映像を発表いたします。てっきり謝罪するのかと思いきや、「ここは自由の国でしょ! 誰が何と言おうと、私はアジサイが嫌いなのよ!」と叫びながら、アジサイの花を床にたたきつけ踏みつけるという有様。そんなビデオをわざわざ作って公開するとは、マドンナ女史、好き嫌いの本能、大炸裂なのでございます。この感覚が、マドンナの若さの一因なのだななんて、思ったのでございます。
さて、ちょっとお話しを戻しますよ。最初の方で、“強力な引力”と“失敗できる”のを若さの特権と申しました。この特権のおかげで若いうちはバリバリと活躍できるのですが、さぁ、ここで想像してみて下さいませ。人間というのはいつの間にか年を取っていくもの。その若さの特権は、いつの日か効力を失う時が来るのでございます。引力も弱くなりますし、何か失敗をすると「いい年して、そんなことも出来ないの?」と言われるようになる。そんな日が必ず来るのでございます。若い頃には「この若さが永遠に続く」と思いがちなのでございますが、そう思って油断していると、年齢を重ねた頃に袋小路に入ってしまう可能性がある。そこでこんなアドバイスを。
・自分を変えられるのは、30歳まで。特権は30歳で消えると思え。
・気持ちの良い言葉は敵、浴びせられる苦言こそを、自分の指針とせよ。
若さというのは輝いていると申しました。その輝きに引かれ、いろいろな人が近づいてくるものでございます。本当にあなたのことを思って力になってくれる人も近づいてくるでしょうし、ただ単にあなたを利用しようと考えているだけの人が近づいてくるかも知れません。引力が強いですから、いい人も悪い人も、なんでも引きつけてしまうのでございます。大金を手に入れた杜子春のようなものでございます。お客さんにも恵まれ、人脈にも恵まれる。しかし、それを自分の実力だと思っていると、特権が消え失せた頃、大きな落とし穴にはまり込んでしまうのでございます。若い頃の好調は、決して自分の実力だと思ってはいけません。それは、若さゆえの誰でも持っている特権のおかげだとわきまえるべきでございます。
年を取ってくると、「いい話ほど裏がある」と思えるようになるのでございますが、若い頃にはなかなかそうは思えないもの。人を利用しようと考える人ほど、「気持ちの良い言葉」を使ってくるものでございます。そこで、自分にとって気持ちの良い言葉ほど、用心深く接して頂きたいものでございます。逆に、自分に対してズバリと耳の痛い忠告をしてくる人、その人の言葉が“真実”なのでございます。若い頃には、そんな忠告に素直に耳を傾けるというのは難しいでしょうが、たとえすぐに従うことが出来ないにしても、頭の片隅に置いておいて、行き詰まった時のヒントとするべきでございます。そんな耳の痛い苦言も、30歳を過ぎたあたりから誰も言ってくれなくなります。30代以降というのは、“自分で気がついて自分で直さなければいけない年代”だからでございます。30歳までの様々な経験が、どれほど重要か分かって頂けましたでしょうか。
若い頃の体験の重要さを考えますと、これからデビューするニューハーフ予備軍のみなさま方には、出来るだけ大きな店で、先輩やベテランが大勢いる店を選んで頂きたいというのが、正直な気持ちでございます。デビューした店というのは、人生を左右する程に大きな影響力がございます。同年代の人ばかりの店は人間関係の煩(わずら)わしさが無くて楽そうに思えるのですが、その楽さが、人生の貴重な時期に貴重な体験をするチャンスを失うことになるやも知れません。もちろん、若い人ばかりのお店がダメだと申しているのではございません。若い人を集めるというのは、それはそのお店のコンセプトですので、ワタクシがそのコンセプトに口を挟むつもりは毛頭ございません。そのコンセプトに乗っかって、大成功する可能性もございます。ただ、若い人に申し上げたいのは、たとえ短期間でもよろしいので、年輩ニューハーフに接する環境を自ら作り、接客術の神髄に少しでも触れておいて欲しいと思うのでございます。
さて、今回は「若さ」をテーマにしてお話しをしてまいりました。若さゆえの功罪、理解して頂けましたでしょうか。最近読んだ本に、こんな一節がございました。
安らぎは、人の思考を止める。
思考を止めれば、成長はしない。
成長しなければ年を取るのが早まる。
あのホリエモンこと堀江貴文氏の著書『君がオヤジになる前に』という本からの一節でございます。そういえばニューハーフも、「ああ、私はなんて美しいの」って思い始めた瞬間から美しくなくなってくるのでございます。似たようなものでしょうかねぇ。この堀江氏の一節を借りれば、「若さとは思考すること」ということになるのでしょうか。ということは、年を取っていても常に思考している人は若さを保てているということ? ほら、若くない人にも光が見えてきたでしょ。体の年齢と精神年齢は別ということでございますね。むしろ、年を経て、多くの経験を積んだ人が、柔軟な思考力も備えていたりすると、これは鬼に金棒なのではないか! ほら、ほら、もう若くないと思っている人、あなたも「考える」という力を持つことで、“超無敵モード”に入れるのでございます。
といったところで、今回はこの辺で、次回をお楽しみに、名古屋薫でございました。更新が遅れましたこと、お詫び申し上げます。







