
お酒を飲んだ翌日に、声がかすれたりガラガラになってしまった経験はありませんか?
いわゆる「酒焼け」と呼ばれる声の変化は、喉や声帯に負担がかかることで起こるものです。自分では気づきにくい声の変化も、周囲には「飲みすぎ?」と感じさせてしまうこともあるかもしれません。そこで今回は、酒焼けの原因から日常でできるセルフケアまで、喉を守るためのポイントをご紹介します。
- 1酒焼けとは?
- 2酒焼けの原因
- 2.1過度な飲酒
- 2.2タバコ・副流煙
- 2.3大声やカラオケによる酷使
- 2.4喉の乾燥
- 3酒焼けの対処法
- 3.1水分補給をしっかり行う
- 3.2加湿で乾燥を防ぐ
- 3.3飴やはちみつで保湿する
- 3.4喉を温めて休ませる
- 4酒焼けしやすいお酒
- 5いかがでしたか?
この記事の目次
酒焼けとは?
「酒焼け」とは、お酒を飲んだあとに喉が乾燥・炎症を起こし、声がかすれたりガラガラになったりする状態を指すことが多い言葉です。アルコール、特に度数の高いお酒は喉の粘膜を強く刺激し、声帯に炎症を起こして声が枯れる原因になります。
本来、医学的に「酒焼け」とは長期的な飲酒習慣によって顔が赤くなる現象を意味していました。しかし現在では「飲酒後の声枯れ」を表す言葉として広く使われています。実際にはアルコールだけでなく、タバコや副流煙、大声の出しすぎ、乾燥など複数の要因が重なって声帯がダメージを受けることが多いのです。
そのため、ナイトワークやお酒を伴う接客の仕事をしている方にとっては、酒焼けは身近で避けにくい悩みのひとつと言えるでしょう。
酒焼けの原因
過度な飲酒
アルコールは刺激が強く、喉の粘膜を直接傷つけてしまいます。
度数の高いウイスキーやテキーラなどは一口で「焼けるように痛い」と感じることもあり、それだけ喉に負担がかかっている証拠です。厚生労働省では多量飲酒を1日60g以上の純アルコール摂取と定義していますが、接客で連日飲んでいるとこれを超えてしまうことも多いはず。飲酒量や頻度が多いほど炎症が進み、酒焼けのリスクは高まります。
タバコ・副流煙
タバコに含まれる「タール」は声帯を腫れさせ、炎症を引き起こす原因となります。紙タバコだけでなく、電子タバコや加熱式タバコでも“加熱した蒸気”を吸い込むため、喉への刺激はゼロにはなりません。さらに、自分が吸わなくてもお客様や同僚の副流煙で喉を痛めることもあります。実際に「お酒も吸わないのに酒焼けっぽい声になってしまった」という方は、副流煙の影響を受けている可能性が高いでしょう。
大声やカラオケによる酷使
お店はBGMや会話でにぎやかなので、つい大きな声で話す機会が増えます。声帯はとてもデリケートで、強く振動させたり長時間酷使したりすると摩擦が起きて炎症に直結します。さらにアフターでカラオケに行くことも多く、歌いすぎで声帯を消耗してしまうことも。飲酒や喫煙と組み合わさると声のダメージは倍増し、酒焼けが慢性化してしまう恐れがあります。
喉の乾燥
乾燥も酒焼けの大きな要因です。ナイトワークのお店はクーラーや暖房が年中効いており、湿度が下がりやすい環境。さらにお酒を飲むと体温が上がり、口呼吸になりやすいため喉が乾燥しがちです。乾燥した状態では声帯がこすれやすく、ちょっとした会話や歌でもすぐにダメージを受けてしまいます。結果として炎症やかすれ声につながり、酒焼けが起こるのです。
酒焼けの対処法
酒焼けは放っておくと声が戻りにくくなることもあるため、日ごろからセルフケアを意識することが大切です。ここでは自分でできる簡単な対処法を紹介します。
水分補給をしっかり行う
アルコールには利尿作用があるため体は水分不足になりがちです。飲酒量と同じくらいの水を意識的に飲むことで、喉の乾燥を防ぐことができます。
Point
アルコールには利尿作用があるため体は水分不足になりがちです。飲酒量と同じくらいの水を意識的に飲むことで、喉の乾燥を防ぐことができます。
加湿で乾燥を防ぐ
乾燥は酒焼けを悪化させる原因のひとつ。加湿器やマスクを活用して喉を潤すことで、声が枯れにくくなります。ポータブル加湿器を使うのもおすすめです。
飴やはちみつで保湿する
飴をなめると唾液が分泌され、自然と喉の乾燥を防ぐことができます。また、はちみつは喉をやさしく保護してくれるので、帰宅後にひとさじ取り入れるとよいでしょう。
喉を温めて休ませる
炎症が気になるときは喉を冷やすのではなく温めるのがポイント。温かい飲み物やストールなどで喉を保護し、できるだけ声を出さずに安静に過ごすことが大切です。
違和感が長引く場合は無理をせず、早めに医療機関を受診してください。
酒焼けしやすいお酒
酒焼けの大きな原因は、アルコールによる喉への刺激です。特に度数が高いお酒は粘膜を傷つけやすく、翌日の声枯れにつながりやすいので注意が必要です。ここでは酒焼けしやすい代表的なお酒を紹介します。
ワイン
ワインは飲みやすい印象がありますが、白でも5〜14%、赤は12〜16%と意外にアルコール度数が高めです。ついグラスが進んでしまいやすいので、こまめな水分補給と飲みすぎ防止を意識しましょう。
ウォッカ
ウォッカはカクテルによく使われますが、度数は40〜60%と非常に強いお酒。中には90%を超えるものもあり、少量でも喉に大きな刺激を与えます。ショットなどで一気に飲むと酒焼けを起こしやすいので要注意です。
テキーラ
テキーラは一般的に35〜55%の高アルコール度数で作られ、特にアメリカやカナダでは約40%が主流です。ショットで一気に飲まれることが多く、喉への刺激が強いため、酒焼けのリスクが高いと言えます。
日本酒
日本酒は香りや味わいが豊かで人気ですが、度数は15%前後と高め。種類によっては20%を超えるものもあり、飲みすぎると喉に負担がかかりやすくなります。
いかがでしたか?
酒焼けの主な原因は「アルコール」「タバコ」「乾燥」「声の使いすぎ」にあります。特に度数の高いお酒や喫煙環境では喉の粘膜が刺激されやすく、声帯に負担がかかって声枯れにつながります。
日頃から水分補給や加湿を意識し、喉を休める時間をつくることが大切です。また、はちみつや飴で保湿したり、温かい飲み物で喉を温めたりといったセルフケアも効果的です。
それでも症状が長引く場合は、無理をせず耳鼻咽喉科などの医療機関を受診し、専門的な診断を受けることをおすすめします。
日々接客やお仕事で声を使う方にとって、喉は大切な相棒です。どうか自分の体を労わりながら、無理せず頑張ってくださいね。